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-主観-

援助には行けないけれど、出来る範囲で出来るだけの事だけは続けたい。

話は変わりますが、今読んでいる伊坂幸太郎の『砂漠』より、ちょっと共感したトコなんですけど(一部省略)
「馬鹿になればいいんですよ」
『バカニナレ?』急にそんな事を言われても・・。
「・・賢い奴はね、先のことを考えすぎるんですよ。馬鹿になればいいんですよ。たとえば」
『たとえば?』
「目の前で、子供が泣いてるとしますよね。銃で誰かに撃たれそうだとしますよね。その時に、正義とはなんだろう、とか考えてどうするんですか?助けちゃえばいいんですよ」
『助けちゃいますか』僕は圧倒された。
「例えばね、手負いの鹿が目の前にいるとしますよね。・・・。で、腹を空かせたチ-タ-が現れますよね。襲われそうですよね。実際、この間観たテレビ番組で・・その時にその場にいた女性アナウンサ-が、涙を浮かべてこう言ったんですよ。『コレが野生の厳しさですね。助けたいけれど、それは野生のル-ルを破ることになっちゃいますから』なんてね」
『正しいじゃんか』と・・。
「助けりゃいいんですよ、そんなの。何様なんですか、野生の何を知ってるんですか。言い訳ですよ言い訳。自分が襲われたら、拳銃使ってでも、チ-タ-を殺すくせに、鹿は見殺しですよ」
『なるほど』と納得したわけでもないのに僕は応じる。
『なるほど』と他の3人もうなずいた。
『でも、チ-タ-と鹿のどっちを救うべきか、ってのは難しい問題だよね』
・・「それはその時、可哀想に見えたほうですよ」・・。
『主観的じゃないか』
「・・残念ながら、俺を動かしているのは、俺の主観ですよ」
『なるほど』と納得していないにもかかわらず、さらに僕たちは言う。
「とにかくね、この国は、訳知り顔の賢者が増えちゃってね、それが馬鹿な正直者を苦しめてるわけですよ」
無茶苦茶だなあ、と僕は顔をしかめる。

(持論をぶち上げているのは小説に登場する「西嶋」なる風変わりな青年)。


まあ、小説の中の事なので、だからナンだよ?と言われりゃそれまでだけど「その気になればね、砂漠に雪を降らすことだって、余裕でできるんですよ」と断言したのも彼。

伊坂ワールドが好き今回も読んでいる訳ですが、この時期にこの本を手にした事は、ある意味、震災に遭われた方々に対し自分に何が出来るのか?を選択させるきっかけになった事は確かだと思います。
馬鹿になるつもりは無いですけどね(わはは)。
ただ「何もしない傍観者にだけはなりたくない」よな-と(因みに、個人を指す等の他意はありませんこと、ご承知下さい)。
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今回のエントリ-、決して募金を強要するものでもありませんので、その点ご理解下さい。
# by dad1st | 2011-04-02 08:55 | 記憶